2017年07月11日

No.127 貴社はベジさんに狙われるでしょうか?

 佐々木ベジです。さて、ソレキアは佐々木ベジのターゲットになってしまいましたが、貴社はターゲットになる可能性はあるでしょうか?

 まず、ターゲットになるリスクとしては、財務体質が挙げられます。ソレキアは比較的キャッシュリッチな会社でしたし、配当・自社株買いによりROEを上げる余地がありました。今までのアクティビストファンドが好んで投資した企業群に属する会社と言えます。キャッシュリッチで財務体質が良好な会社の場合、佐々木ベジのターゲットになる可能性は十分にあります。

 さて、ここで今の佐々木ベジの心境を分析してみましょう。ソレキアを敵対的TOBで見事に買収した佐々木ベジさんは勝利の美酒に酔っているでしょうか?私はそんなに酔ってはいないと思います。大成功したのになぜでしょうか?たぶんですが、それは思ったほどの勝利ではなかったからです。勝ちは勝ちなのですが、皆さん、ソレキアのケースって世間でどれくらいの人が認識しているでしょうか?M&Aを専門とする弁護士や証券会社の人間ですら知らない人が多いと思います。そして、日経新聞は取り上げたでしょうか?佐々木ベジのTOBの最中はほとんど取り上げていません。5月25日の日経14面では「企業統治、TOB合戦左右 富士通、「合理性」重視で撤退」という記事が掲載されました。「買付価格で合理的な水準を超えないようにするとして、佐々木氏との価格引き上げ競争から途中で降りた」「富士通が買付価格の引上げを踏みとどまったことこそ、企業統治の充実を象徴している」という内容です。私が「提灯記事か!」と断罪した記事です。富士通の判断がまるで英断のように取り上げられています。見様によっては不毛な価格競争を仕掛けた佐々木ベジのほうが悪者のようにも見えます。

 佐々木ベジは敵対的TOBをほぼ日本で初めて成功させたのに、マスコミは誰も取り上げませんでした。逆に富士通をほめるような提灯記事を書きました。佐々木ベジは満足しているでしょうか?僕は、彼のプライドはある意味傷つけられたのではないかと思っています。私の見立ては「佐々木ベジは大金持ちなので、ソレキアに敵対的TOBを仕掛けて、小金儲けをしたいとは思っていなかったはず。佐々木ベジもけっこうな年齢なので、人生の最後に日本企業を変えてやるという大いなる野望をもって仕掛けているのかもしれない」です。そう考えると、ソレキアに関するマスコミ報道に対してフラストレーションがたまっている可能性があります。では佐々木ベジは次にどういう行動に出るでしょうか?

 マスコミが取り上げざるを得ない会社をターゲットにしよう!ではないでしょうか?ソレキアの時価総額は、佐々木ベジがTOBを仕掛ける前は20億に満たない水準でした。小さすぎたのです。であれば、もっと規模の大きな会社をターゲットにしようと考えるかもしれません。そして、知名度のある会社をターゲットにしようと考えるかもしれません。または、過去にアクティビストファンドや事業会社のターゲットになって目立ってしまった会社をターゲットにするかもしれません。「あの会社が買えなかったターゲット企業を佐々木ベジは買収できた!」となると話題性としては抜群です。

台湾の投資家と組むという話もブルームバーグで報道されていますから、ある程度の資金を引っ張ってくるのかもしれませんね。当然、今の佐々木ベジの規模であれば、敵対的買収を仕掛けられる時価総額は大きなものではありません。しかし、村上ファンドやエフィッシモの設立当初を考えてみてください。彼らだって、最初から規模が大きなファンドを組成できた訳ではないのです。時間をかけて利益を出し、投資家の信頼を得て多額の資金を集めた。時間をかけて・・・実際には時間はかかっていません。たった数年で何千億という規模のファンドに拡大させました。世の中、お金があまっているので、たった1つの成功で多額の資金が集まってくる可能性があります。佐々木ベジが資本市場の舞台の中心に躍り出てくるのも、そう遠い話ではないように思います。

 

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