No.2068 では個人株主に希望はないのか?というお話
フジMHDのケースにおいては、個人株主が株主総会のキャスティングボートを握っているのではないかという報道があったものの、実際のフジMHDの個人株主比率は33%もなくたったの12%程度であり、また2025/3期末の個人株主数は増え、個人株主比率も増えたように見えたものの、それは多くが野村絢氏のものであって純粋な個人株主比率は2024/3期末と変わりませんでした。
太陽ホールディングスについては「株主の怒りが経営者の交替につながった!」「株主の議決権行使によって経営者が後退させられる時代!」といった報道が見られたものの、筆頭株主のDICとオアシス、創業家が社長選任に反対したから交替させられたという単なるお家騒動であり、そこにオアシスが乗っかっただけのケースでした。ちなみに、佐藤社長に対する反対個数は264,215個で、そこから3社の議決権209,370個を引くと54,845個です。一方、佐藤社長への賛成個数は234,557個です。これ、オアシスとDIC、創業家ら以外の大半の機関投資家、一般株主は佐藤社長を評価し、社長であり続けてほしいと願っているということだし、非公開化を望んでいないと取ることもできるのではないでしょうか?
そして京セラ。オアシスが経営トップの選任議案に反対し、ネガティブキャンペーンを展開しましたが、少ないとは言え安定株主が存在すること、おそらく国内機関投資家が京セラを支持したことから、否決されるような事態にはなりませんでした。
こう書いてしまうと「なんだ・・・アクティビストに追随するコバンザメ投資と言ったって、結局個人の力には限りがあるし、機関投資家の行動次第ということか」と個人投資家にとっては残念な期待外れの結果になったかもしれません。でも個人投資家は希望を捨ててはいけません。