2022年11月11日

No.1425 先日旧村上ファンドが提出したジャフコの変更報告書について

11月9日に旧村上ファンドがジャフコの変更報告書を提出したことはすでにお伝えしたとおりですが、ちょっと気になることがあります。

保有割合は18.35%から18.97%に上昇していますが、全体として1%以上の変動があったわけではありません。今回の変更報告書の提出理由は「単体株券等保有割合が1%以上増加したこと及び共同保有者が減少したこと」です。

単体株券等保有割合が1%以上増加したというのは、共同保有者であるシティインデックスイレブンスと南青山不動産の保有割合が1%以上増加したということです。以下のとおりです。

シティインデックスイレブンス:7.54%⇒9.59%

南青山不動産:5.79%⇒9.39%

そして「共同保有者の減少」ですが、10月28日に提出された変更報告書での共同保有者はシティインデックスイレブンス、南青山不動産、野村絢氏でしたが、11月9日付変更報告書によると、野村絢氏の保有割合は5.01%から0.00%になっています。取引状況を見ると、10月26日までは連日のように市場でジャフコ株を取得していたのですが、11月1日に市場外で4,132,900株(5.64%。前回の保有割合よりも増えているのは義務発生日以降も市場で取得したからです)を売却しました。

どこに売却したかというと、シティインデックスイレブンスと南青山不動産です。11月1日にシティインデックスイレブンスは1,500,000株(2.05%)、南青山不動産は2,632,900株(3.59%)を市場外で取得しています。合計すると野村絢氏の売却株数と一致します。なぜ野村絢氏はシティインデックスイレブンスと南青山不動産に売却したのでしょうか?

ちょっとここで話を変えますが、以前、旧村上ファンドから大規模な自己株TOBを実施した西松建設の変更報告書の提出状況を見てみました。西松建設が自己株TOBの実施を公表したのは2021年9月21日です。公表資料を見ると、西松建設と旧村上ファンドの交渉状況が少しわかるのですが、2021年8月18日に西松建設と旧村上ファンドは意見交換をし、自己株TOBの話が出てきました。8月27日から具体的な協議が始まったようで、9月1日と10日にTOB価格や応募契約について協議しています。

そして9月17日に旧村上ファンドは変更報告書を提出するのですが、その理由は「単体株券等保有割合が1%以上増加したこと及び共同保有者が減少したこと」です。全体の保有割合は24.91%から25.00%に上昇していますが(8月17日までに追加取得したようで、交渉が始まってからはさすがに買っていないですね笑)、以前まで共同保有者であった野村絢氏の保有割合が4.12%から0.00%になっており、9月10日にグループ会社のエスグラントコーポレーションに譲渡されたようです。なお、この時点で旧村上ファンドは西松建設が自己株TOBをするというインサイダー情報を有していますが、野村絢氏・エスグラントコーポレーションともにイン同氏であり、イン・インの相対取引なのでインサイダー取引にはなりません。

西松建設のときと同じような株の移動がジャフコでもあったので、ちょっと気になっています。なお直近の自己株TOB事例であるセントラル硝子ではこのような株の移動はありませんでした。

ジャフコで何かが動いているから、近々何かしらの公表がなされるから、野村絢氏からグループの法人に株が移ったのか???シンガポールの株式に関する税制なども関係するのかどうか・・・。仮にジャフコが自己株TOBをした場合、個人で応じるより法人で応じたほうが税務メリットを取れます(みなし配当の益金不算入)。でもシンガポールで株式譲渡課税ってあるんでしたっけ???

まとまりのない話でスミマセン。なお、旧村上ファンドのジャフコ株の平均取得価格は、10月28日に提出された変更報告書で計算すると、1,995円です(株数13,444,700株、取得資金の総額26,821,891千円)。11月9日の変更報告書で計算すると2,021円です(株数13,904,500株、取得資金の総額28,101,359千円。野村絢氏から2,235円で譲渡されているので取得価格が上がっています)。

11月10日のジャフコの終値は2,225円です。自己株TOBだと、プレミアムをつけたとしても大した上乗せは理屈上できないですよね?仮に自己株TOBで買い取るとしても、旧村上ファンドにしては大した儲けにはならないですね。ジャフコ株を保有したのは短期だからということで納得するのでしょうかね。

自己株TOBに誘い込まれたけど、違う結末が待っていたとしたら非常に興味深いですが・・・ないかな?

 

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