No.2289 おそらくMBOをした経営者の多くはMBOには金儲け以外の意味がないことを本当にわかっていない(人も多い・・・)
このタイトルで何をネタにしたかは多くの方がわかっていると思いますが、そうですね。以下のスノーピークの記事です。『記者に再上場の目安を問われた山井氏はベインの担当者を見ながら回答した。「27年末から28年第1四半期あたり。ベインさんよろしいですか」。ベイン担当者は苦笑いだった』
ベイン(それ、言うなって!!!)かな?
スノーピーク、「豊臣兄弟」式MBO カリスマ会長と番頭ベインで分業 2026/2/18日経
スノーピークの山井社長は自分がやったMBOの意味(MBOには意味がないこと)をまったくわかっていないと思いますし、MBOを選択した多くの会社の経営者も同様です。山井社長がおっしゃっている在庫処分や膿を吐き出すなどの経営改革(と言えるレベルでもないと思いますが)とやらは、上場したままできることです。スノーピークが上場廃止したのは2024年7月9日です。山井社長の言っている通りに事が進んでいるのであれば、たったの3~4年でまた上場するということです。3~4年程度でできる経営改革なら上場したままやれるでしょう?
こんなMBOや再上場が許されていいのか?と疑問に思いますし、MBOに応募した株主だって「いや、どうせ再上場するのはわかってたよ。でも、まさかたったの3~4年で再上場するなんて思っていなかった!」と言うのではないでしょうか。そして「リスクを取ってMBOをするならこのTOB価格で応募してあげようと思ったのだけど、たったの3~4年で再上場できるようなMBOなら、TOB価格がもっと高くあるべきだったんじゃないの!?」と思う株主もいるのでは?
山井社長は再上場の時期に対する回答がどれくらい浅はかな内容かわかっていないでしょうね。この回答をすることのリスクもわかっていない人がMBOを決断したということです。というかMBOを決断する経営者のレベルってこんなもんなのでしょうね。まあ、ある意味悪質さはないとも言えますが・・・。
再上場を前提としたMBO、MBOの最中にアクティビスト等が現れ「じゃあMBO価格を上方修正します」というMBO・・・どれも最低な行為だということを、このようなMBOをした経営者はわかっていません。
「再上場が決まっている訳でもないし、リスクを取ってMBOをしたんだ!」
大したリスクじゃないでしょうが・・・。そもそもつぶれるようなリスクもない、現金じゃぶじゃぶの会社、いざとなれば従業員をリストラして利益をねん出すればよい会社・・・リスクなんてとってないですよ。
「MBOの価格を上げることの何が問題なんだ!価格を上げてやるのだから株主にとってはよい話じゃないか!」
最初に株主に提示したMBO価格は何だったのか?という話です。わかってないでしょ?MBOというのは経営者が参加する自社の買収です。買収者=経営者なのです。買収対象となる会社の内部情報を一番知っている経営者が、内部情報を全く知らない株主に「1株1,000円で株を売ってください。十分魅力的な価格です!」と胸を張って提示したにもかかわらず、アクティビストが登場してMBOの成立が危ぶまれるや否や「じゃあ1,000円じゃなくて1,500円にしますねテヘヘ(クソッ!価格が安いのがバレちまったじゃねーかよ!アクティビストの野郎!)」って価格を引き上げるんですよ。最初に提示したMBO価格を引き上げるということは、会社の内部情報を最も知っている経営者が本来1,500円で買わなくてはいけない株を1,000円で不当に安く株主から買おうとしていたということです。
ここをわかってMBOをする経営者は価格を引き上げているのか?ということです。
私は「MBOをしたいならしてもいい。ただしMBO価格の引き上げはするな。そして、一生再上場するな。」と申し上げたい。
