2018年05月10日

No.330 買収防衛策の賛成率は低くて当然。逆に高ければ・・・

 きついことを申し上げますが、買収防衛策として機能しない策だから賛成してもらえた、ということです(ここでの議論では、安定株主比率が高い企業は除きます)。だって、買収を防衛するための策であるにも関わらず、機関投資家の一部が賛成してくれているということですよね? ここで、機関投資家の買収防衛策に対する議決権行使基準を見てみましょう。

 三井住友アセットマネジメントの買収防衛策に対する議決権行使基準です。大量買付者に対する情報提供要請について、追加請求期間を含めて60日以内と設定していれば賛成してくれます。こういう基準をクリアするために、買収防衛策における情報提供に上限期間を設定してしまった会社はいくつもあります。以前から申し上げているとおり、情報提供請求期間に上限を設定してしまうと、買収防衛策としてはまったく機能しないと言っても過言ではありません。だって、60日経ったらもう情報提供しなくていいんですよね?だったら真面目に情報提供などする訳がありません。機関投資家は基本的に買収防衛策には反対なのです。でも、買収防衛策として機能しない策であれば賛成してくれるのです。だから機関投資家の賛成票などを得るために買収防衛策の仕組みを工夫するなどということはしてはいけない行為です。

 「でも仕組みを工夫しないと賛成してもらえず、買収防衛策継続議案が否決されてしまう」 そういう危惧はあります。だからと言って買収防衛策を改悪してはいけません。皆さん、今一度、どういう投資家に買われたくないのかを明確化する必要があると思います。なにがなんでも買収提案を阻害するための策を導入したいんだ!そういう会社は上場廃止したほうがよいと思います。もしくは徹底的に持ち合いしてください。まともな人がするまともな提案だったら、阻害してはいけません。まともじゃない人については阻害してもよいと思いますし、そういう人を阻害・排除するための策であれば、機関投資家だって反対できないでしょう?

 誰に買われたくないのか?その人に買われたら会社はどうなってしまうのか?これをわかりやすくルール化することができれば、機関投資家も賛成せざるを得ません。特に外国人株主比率が高くて、買収防衛策を導入したくても導入できない会社。このような会社は、これから来るであろう大買収時代の中の質の悪い買収提案に対抗するために、早急に新たな買収防衛策を検討し、導入しておく必要があります。明日紹介します。

 

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