2018年01月05日

No.241 今年はどんな年になるのか~その①~

 その①と書いたものの、その②があるのかどうかは今のところわかりません。想像力と妄想力を働かせて、その③くらいまではがんばりたいと思います。

 今年はどんな年になるのか?まず私が気になっているのは、昨年から動きが活発化している旧村上ファンドです。非常に気になりますね。まず、旧村上ファンドが投資した会社をチェックしてみましょう。

 ここで言う旧村上ファンドとは、主にオフィスサポート、レノ、C&Iホールディングス、野村絢氏、村上世彰氏、南青山不動産のことです。上図で直近保有割合が5%を下回っている会社については、おそらくもう売却してしまったと思われます(ただし、大量保有報告書ではなく、大株主の状況で保有が判明している会社については、そうとも言い切れません)。UKCホールディングス、イノテック、伯東、菱洋エレクトロ、佐鳥電機、エクセル、三信電気、黒田電気については、四季報で見ると「電子部品商社」に位置付けられる会社です。株式投資の基本は分散投資と言われることがありますが、まさに逆ですね。同じ業界の会社をこんなにたくさん保有しています。間違いなく、旧村上ファンドは電子部品商社業界で何かやらかすに違いないでしょう。そうでなければ、こんなに同業の会社を買わないでしょう。黒田電気をMBKパートナーズに売り渡しましたから、妄想ですが、MBK・黒田電気を核とした再編を進めたいのではないかと考えます。特に、かなりの割合の株式を取得されてしまった三信電気とエクセルについては、何かしらの動きがあると思っておいたほうがよいでしょうね。株主提案はしてくるでしょう。

 最近ではMBOを公表した東栄リーファーラインの株式を買っていますね。まだ旧村上ファンドは声を上げていないようですが、MBOの期限は1月11日(木)までです。あと1週間ですね。この時点で旧村上ファンドが声を上げていないということは、特になにもせずに終了するのでしょうか?だったらわざわざ株式を取得する必要はないはずですから、何か考えているのでしょう。市場価格よりも低いTOBに、東栄リーファーラインの安定株主が応募したとしたら?もしその株主の株式を旧村上ファンドが保有しているとしたら?旧村上ファンドのターゲットは東栄リーファーラインではなく、その株主なのかもしれません。ちなみに、東栄リーファーラインは2番手の株主から臨時株主総会の開催を請求されましたが、蹴ったようです。http://ir.toeireefer.co.jp/pdf/toeireefer20171220.pdf

TOB期間が延長される可能性もあるので、まだ要チェックです。 

あとは、日本郵船ですね。旧村上ファンドが投資した先では最も時価総額が大きいです。昨年12月27日に変更報告書が提出されました。当初、大量保有報告書を提出したのが10月31日で保有割合は5.12%でした。12月27日の変更報告書によると保有割合は5.64%となり、共同保有者も増えました。それにしても、年末に出さなくても・・・。嫌がらせか?徐々にではありますが、買い増しています。旧村上ファンドは「オレたちは私鉄の再編をしたんだ!」という自負があるのかもしれません。阪神と阪急を統合させたのはオレたちだ!という思いがあるのでしょうか。陸の再編をしたから、次は海。日本郵船は買収防衛策を廃止していますから、旧村上ファンドに資金力さえあれば20%以上の株式を買うことは可能です。資金力があるかどうか?少なくとも黒田電気株式の売却により380億円くらいのキャッシュが入ってきます。日本郵船の時価総額は4,674億円なので、380億円すべてを投下すれば、あと8%くらい買い増すことが可能です。そうすると、発行済の13%程度になります。まあ、この程度持たれて株主提案などされたとしても、可決されることはまずないでしょう。ただ、外国人株主比率が高い業界ですから、油断は禁物ですね。旧村上ファンドやアクティビストのターゲットになった会社のほとんどが「まあ、それほど買われないだろう」と考えていたため買われてしまったのですから。株主提案にしたって、「日本で株主提案をしても、提案サイドが不利」という考え方が今のところは一般的ですが、それにしたって根拠は薄いです。安定株主がいるから、というのと、国内の機関投資家はそうは言っても会社を支持する、というのが根拠でしょ?安定株主比率が低下し、国内の機関投資家ですら会社議案に反対票を投じる時代ですから。

 村上さんって、どんな人なのでしょうか?私はお会いしたことはありません。テレビや新聞、著書などで推測する限り、とっても目立ちたがり屋さんのような気がします。かつての部下が立ち上げたエフィッシモの活躍ぶりをどう見ているのでしょうか?気になりますね。村上さんの闘志に火がついているような気がします。「若いモンに負けとれんわい!ワイが元祖和製アクティビストじゃ~!」って。そんな彼が今年1年、おとなしく過ごすとは思えません。少なくとも、電子部品商社業界に関しては何かしら目立った動きをすることでしょう。海運に関しては、時価総額が大きいので、即座に再編を要求するのかどうかはわかりませんが、時間をかけて対応するのかもしれません。その他の業界もいずれターゲットにしてくる可能性はあると思います。

 

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