2018年01月26日

No.256 東京とんかつ会議

 っていう番組、ご存知ですか?BS-TBSで毎月1回やっています。私、空腹状態でお酒を飲みながらグルメ番組を見るのが趣味という、少し変わった人間です。今日は週末なのでゆる~いコラムです。http://www.bs-tbs.co.jp/entertainment/tonkatsu/

その番組で、トンカツ屋の店主が「あなたにとってトンカツとは?」と質問されたときに、「トンカツって和食ですかね?洋食ですかね?」と聞き返しました。「和食じゃないですかね」と司会者が答えたところ、その店主は「トンカツを考えた人ってすごいですよね。何十年前かに発案し、それが、何十年にもわたって日本人に愛され、いまや和食と呼ばれるようになった。トンカツを発案した人に敬意を表することを忘れずにこれからもやっていきたいですね」ってな趣旨のことをおっしゃっていました。

 皆さん、敬意を表する方っていらっしゃいますか?私はいます。長嶋大野の藤縄弁護士です。ご存知ですか?日本企業が導入している事前警告型買収防衛策の生みの親です。本当に尊敬しています。2003年頃、顧客から「米国で導入しているポイズン・ピルを日本でも導入できないか」という相談がありました。昔のことなのでちょっと忘れつつありますが、米国のポイズン・ピルを導入するには「新株予約権付株式」といった仕組みがないとダメで、日本では新株予約権付株式を発行することは法律上、困難でした。では、日本で買収防衛策を導入することはできないのか?藤縄弁護士は「そもそも、買収提案がなされたときに困るのは時間と情報がないことでしょ?じゃあ、買収ルールをプレスで事前に公表しておけばいいじゃない?ルールを破ったら、基準日を設けて基準日時点の株主に新株予約権を発行するという仕組みにすれば、別に新株予約権付株式じゃなくてもいいでしょ」と。目からうろこ、コロンブスの卵、でした。なるほどなあ、と。また、そもそも、事前警告型ルールは取締役会で導入するという発想だったと思います。いつからか、株主総会決議で導入する会社が多くなってしまいました・・・。現時点で事前警告型ルールの考案者である先生がどうお考えなのかはわかりませんが。

 とんかつを作った人同様、買収防衛策を作った人はすごいと私は思っています。事前に買収提案に対するルールを決めておけばいいじゃなかという発想は、今でこそ当たり前になりましたが、当時は斬新でした。誰も思いつかなった発想ですから。そのような方に敬意を表しつつ、買収防衛策をなんとか継続させ、日本企業の守るべきものを守り、企業価値を向上させていく仕事をし続けていきたいと考えています。

 今日はタイトルを「東京とんかつ会議」にしましたので、せっかくですから、とんかつのおいしいお店をご紹介します。皆さん、軽井沢の食のイメージってありますか?フレンチ?イタリアン?そば?いやいやいやいやいや。軽井沢で食事するならとんかつです。「侘助(わびすけ)」というお店があります。このお店のとんかつは絶品です。軽井沢にいらっしゃるときは、ぜひ。「お!さすが、軽井沢に住んでいるからよく知ってるね~」と思いましたか?いいえ。某食品メーカーのCFOに教えていただきました・・・。私が開拓したわけではございませんし、食品メーカーCFOのお墨付きですからご心配なく!

 

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