2018年01月15日

No.247 今年はどんな年になるのか~その③~

 想像力と妄想力を働かせて、その③を書いてみたいと思いますが、そろそろネタが尽きてきた感があります。皆さん、今年はどんな年になるとお考えでしょうか?ぜひお聞かせください。差支えない範囲でコラムにさせていただきます。

その①と②で旧村上ファンドとエフィッシモについて書きましたが、あとは何があるでしょうか?株主提案は増えるでしょうか?昨年末のコラムで触れたような気もしますが、まあ、気にせずに書いてみます。

 一般的には「昨年に続き、今年も株主提案は増えるだろう」と予測されることでしょう。昨年の日経に「黒田電気TOB成立、モノ言う株主との付き合い方」という記事があり、「今年の株主総会で内田洋行や蝶理に対して増配などの株主提案をした国内系のストラテジックキャピタルは、10月末から機械商社の極東貿易の株式を買い増し、1カ月間で保有比率を約1割に高めた。中堅ゼネコンの淺沼組の大量保有も判明している。三菱UFJモルガン・スタンレー証券法人本部の荒竹義文氏は「モノ言う株主の活性化で、来年の株主総会での株主提案数は過去最高だった今年を抜く」とみる。」とありました。私は逆張りします。「今年の株主総会での株主提案数は昨年より減る」です。理由は昨年も書きましたが、企業に対する株主からのアプローチや提案自体は増えると思いますが、株主提案は減っても不思議はありません。なぜなら、黒田電気への株主提案が可決されてしまったことを見た日本の経営者が「うちに株主提案された可決されるんじゃないか?」と思ってしまい、株主からの水面下での提案に応じてしまうからです。ですから、アクティビストなどに株式を保有されている企業の来年の株主総会議案や株主還元方針はチェックしておく必要があるでしょう。株主提案はされていないけど、社外取締役を増やしたり、配当・自社株買いを増やしたりした企業は、水面下でアクティビストから何らかの提案を受けていた可能性があります。

 海外のアクティビストの行動も活発化するのではないでしょうか?旧村上ファンドによる黒田電気への株主提案が可決されたことは、海外のアクティビストの間でも話題にはなっていることでしょう。「日本企業の安定株主比率は低下しているから、株主提案が可決されたのではないか?」と考える人もいるかもしれません。黒田電気で株主提案が可決されたのは、単に旧村上ファンドの持分が38%もあったから、なのですが。2017年は日本において海外のアクティビストの行動が活発化しました。日立国際電気の株式を買い増したエリオット、パナホームやアルパインの完全子会社化にいちゃもんをつけたり、パソナに経営改善要求をした香港のオアシス、東芝の第三者割当増資を引き受けたサードポイントなどの世界のアクティビストたち・・・。

 合理化が進んでいる米国企業を対象にしても、対して儲からなくなった海外のアクティビストの狙いは完全に日本企業である、と考えておいた方がよいでしょうね。村上ファンドやスティール・パートナーズ騒動から約10年です。2017年はアクティビストの動きが非常に活発化しましたし、それは今後も何年か続くと予想できます。アクティビストの動きの活発化を想定し、今何をしておくべきかを考え行動することが2018年の課題ではないかと考えます。

 

このコラムのカテゴリ

関連する
他のコラムも読む

武田薬品の社長、会長を務めた武田国男さんが、武田薬品によるシャイアー買収に対して反対を表明したそうです。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3824055027112018TJ2000/

続きを読む
2024年01月09日 有料記事

No.1660 2023年の振り返り

カテゴリからコラムを探す

月別アーカイブ