2023年04月06日

No.1510 アクティビストの襲来はピンチではない!

ちょっと思いついたので、コラムをまとめます。

皆さん、これだけ毎日のようにアクティビストだ、株主提案だ、敵対的TOBだ、PBR1倍割れなんとかせーやだ言われると「なんだか困ったなあ。アクティビストがうちを狙ってきたら大変だ。会社のピンチだ」と思っていませんか?それを変えましょう。

アクティビストの襲来は、おそらく日本の上場会社の過半にとってはピンチです。

PBR1倍割れ企業1800社、なぜ東証が改善要請?

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB3137K0R30C23A3000000/

東京証券取引所は、プライム市場とスタンダード市場に上場する約3300社を対象に、株価水準を分析して、改善するための具体策を公表するよう要請しました。特に問題とみているのがPBR(株価純資産倍率)が1倍を割り込む企業で、現在約1800社と5割超あります。

そうです。PBR1倍割れしている1,800社にとってアクティビストの襲来はピンチなのです。でもピンチではない会社もあります。この逆のPBR1倍割れしていない会社です。いや、「ピンチではない」といった消極的な状況ではなく、むしろチャンスなのです。

なぜかと言うと、これだけ東証が改善要請をしようが、アクティビストが襲来しようが、おそらく株価が上がらない会社もあるし、改善しない会社もあります。そういう会社は必ずとは言いませんが、アクティビストに狙われる可能性が高いです。そして今の時代、安定株主比率が低下し、ある程度、まとまった株式を取得される可能性がありますし、複数のアクティビストに狙われる可能性があります。

では、狙われた会社はどういう行動に出るでしょうか?やっと株価を上げるために何かしらのアクションを起こすでしょうが、それでアクティビストが満足しれくれればいいものの、東芝のように「この程度の株価じゃあ満足しませんよ」と出て行ってくれないケースも想定されます。

ここまで書けばもうあとは書かなくてもおわかりですね?以前であれば手を出せなかった会社が、アクティビストの襲来により、向こうから「助けてくれ」と言ってくる可能性が出てくるわけです。もちろんそんなに簡単にはいかないかもしれませんが、以前よりも買える可能性が高まっています。「よい会社」にとっては、です。

PBRが1倍を割れておらず、株式市場から評価されている会社にとっては、アクティビストの襲来は、今までは買えなかった魅力的だが株価に反映されていない会社を買うチャンスが来ているということなのです。

事業会社による敵対的TOBだってしやすくなりますよ。アクティビストは高い価格であれば株を売ってくれますし、今の時代、敵対的TOBに対するアレルギーはなくなっています。助けてくれと言ってこなくても、こっちから買いに行けばいいのです。

日本の会社はいい会社が多いのです。岡藤さんもそうおっしゃっています。

https://limo.media/articles/-/38683?page=1

日本の課題は、GAFAMのような企業を生み出せていないことです。日本企業は依然としてものづくりにこだわり、ハードからソフトへのシフトが遅れています。すなわち、ものづくり至上主義と言える「良いものさえ作ればそれでいい」という考え方から脱却する必要があります。日本人の頭脳と勤勉さをもってすれば、日本企業の可能性は無限に広がります。

皆さん、PBR1倍割れの状態なんてさっさと改善してしまいましょう。そして攻められる会社から攻める会社へと変化しましょう。

 

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