2024年06月24日

No.1798 東洋経済さんの記事に当方のコメントが掲載

以下の東洋経済さんの記事に当方のコメントが掲載されました。よい機会なので、最近の敵対的TOBについて少しコメントします。

ブラザーが仕掛けた"ローランドDG買収"の舞台裏 テレビ東京の経済番組WBSでネガキャン?

https://toyokeizai.net/articles/-/764869

「同意なき買収はTOB価格で相手をねじ伏せる泥くさい行為で、かつては乗っ取りといわれたように忌み嫌われる。それをブラザーは嫌がったのではないか」。買収防衛策などに詳しいIBコンサルティングの鈴木賢一郎社長は指摘する。

ブラザーが今回ローランドDGに敵対的TOB(同意なき買収)を仕掛けましたが、負けてしまいました。しかも、理屈の上ではブラザーというストラテジックバイヤーよりも高いTOB価格を指すことが難しいであろうフィナンシャル・バイヤーに負けてしまったのです(もちろん、それだけで価格が決まらないことは十分承知しています)。

どうしてブラザーは負けてしまったのでしょうか?詳しくは以下の特別会員向けコラムをご覧ください。じゃなくて申し込んでください笑

No.1758 ブラザーの敵対的買収はこうやれば成功したし、これからでも遅くはない

No.1759 敵対的買収を誤解していませんか?

No.1760 ローランドDGvsブラザーのケースを誤解している人が多い

一言で言えば「ブラザーには気合と根性が足りなかった」 これだけですよ、ブラザーの失敗理由って。「敵対的買収は気合と根性なんかで成功するか!」って言う人がいるでしょうけど、物事ってだいだい気合と根性で決まるんですよ。その会社のことが欲しいといかに強く思い、そしてその思いを気合と根性で達成させるのです。その思いを達成させるために、私のようなアドバイザーがテクニカルなサポートをするんです。もちろん、テクニカルなサポートも大切は大切です。

今回のブラザーさんの行動やマスコミ等での発言などを見ていると「ずいぶんと敵対的買収を誤解してらっしゃるなあ」と思いました。ブラザーさん、私は東洋経済さんのインタビューでも申し上げたのですが、

『敵対的買収ってのは戦争なんですよ。仕掛けられた方が「ブラザーの野郎!ふざけやがって!オマエらの子会社になんて絶対にならねーぞ!」と死ぬ気で向かってきます。「指針があるんだから、そんな感情的な対応はおかしい!真摯に買収提案に向き合うべきだ!」じゃないんですよ。「指針?知るか!ブラザーにだけはうちの会社を絶対にわたさん!」という思いで向こうは戦います。相手にしてみれば「ブラザーは戦争を仕掛けてきた!」という認識です。だから「泥仕合はイヤだ」などという情けない理由で敵対的TOBを断念するなど、私にとってはあり得ませんね。相手国を攻めたら、向こうが反撃してきたのでやめます、みたいな感じです。そりゃ抵抗しますよ。敵対的買収は最終的には価格合戦になるし、誹謗中傷の応酬になることもあります。ブラザーさん、敵対的TOBを仕掛けるにはかなり検討があまかったのでは?と言わざるを得ません』

といったことを申し上げました。

4月30日、テレビ東京の経済情報番組「ワールドビジネスサテライト」に、産業印刷機中堅のローランド ディー.ジー.(DG)の田部耕平社長が出演した。

番組では、インクが均一に塗られておらず、仕上がりが美しくない印刷物の映像が流れた後、印刷機の中核部品である「インクジェットヘッドでブラザー工業は他社と比べて不良品率が高い」とのナレーションが入った。

こんなの今に始まったことじゃないですよ。以下、有料コラムの一部を抜粋します。

No.1528 スキャンダル合戦などでは勝てない

もちろんPRアドバイザーの効果を全否定するつもりはないのです。PR効果によって何かしらの影響が出る可能性はあります。例えば以下のように、選挙戦なんかでは有効なのかもしれませんが、私にはこの分野の知見がないので論評できません。

https://ib-consulting.jp/column/629/

ただし、こと敵対的TOBや株主提案の局面においてPRアドバイザーが効果的に機能した事例を私は知りません。以下、各種事例に対するコメントです。

ドンキホーテvsオリジン東秀:これ、多少PR効果はあった。例えばテレ東のWBSで、オリジンのきれいな工場で作っているお弁当、その後、ドンキホーテの乱雑な陳列をされている店舗を比較して放送、イメージ的に「食を扱うオリジンがこんな乱雑な店舗のドンキホーテと一緒にやれないですよね!」という効果があった。ただ小谷真生子が一言「へえ。でも食べてみたいですよね、ドンキ弁当」って言ったため効果打ち消し。なお、それでもオリジンが勝ったのはイオンがホワイトナイトになったから。

王子製紙vs北越製紙:世論の効果はあった。例えば王子製紙が新潟の県知事だったか市長だったかを訪問した際、北越の管理職代表が王子の社長にまるで田中正造のように直訴状を渡そうとしたが王子の社長は拒否(見ず知らずの人からの直訴状を受け取らないのは当たり前)。その模様がNHKで「弱者の意見を無視する社長」のように報道。また当時の日経も産業面と財務・証券面では意見が割れた(敵対的TOBの第一報をぬいたのがNHKだったため、日経の担当者がド詰められたらしく、日経の産業面の怒りの矛先が王子に向き批判的な記事。ただ財務・証券面は王子の提案はまっとうと評価)。こういったPRは北越のPRアドバイザーが担ったと言われており、それなりに評価されたが、北越が王子の買収提案を退けたのはPRのおかげではなく、北越による三菱商事への第三者割当増資が成功したから。

そもそも敵対的TOBってのは価格勝負なんですよ。特に全株買収の場合。そしてこの程度のメディア戦を仕掛けてくることなど想定内。「ブラザーのヘッドを使ったらうちの製品が!!!」とか「ヘッドの仕入先が、ブラザーの子会社になったらヘッドの供給を検討せざるを得ない」 まあそりゃこういう反論しますよね。しかしすべて想定内。

こういうことを言ってきたらどうすればよいか?こう言えばよかったんです。

https://ib-consulting.jp/column/5149/

もちろん有料です。特別会員向けのコラムですが、どうぞ申し込んでいただきたい。みなさん、ローランドDGで起きたことをまだ「うちには関係ない」「有事になってから考えればよい」って思っていませんか?ほとんどの会社はそう思っていますよ。

最後に以下の有料コラムに書いたことを無料で公開します。

No.1758 ブラザーの敵対的買収はこうやれば成功したし、これからでも遅くはない

「ローランドDGさん、今回仮にMBOが成功したとしても、タイヨウはいずれローランドDG株を第三者に売却するか、再上場するかして利益を出すわけですよね?仮にその第三者がブラザーだったり、再上場するや否やブラザーが敵対的TOBを実施してきたりするリスクってないんですか?」

以上です。

 

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