2017年10月27日

No.197 ネタに困ったときは・・・そうだ!ソレキアにしよう!

 コラムのネタに困ったからソレキアを取り扱った訳ではありません。昨日、日経の人事欄を見ていたら、ソレキアの人事異動が公表されていたからです。会社発表資料は以下のとおりです。

 佐々木ベジさんが「管理グループ長」に就任しました。9月22日の人事で管理グループ副担当になったばかりだったのに、もう管理グループ長も兼務するんですね。ま、実質的にソレキアを支配しているのですし、今さら管理グループ長になったからといってどうこうなるもんでもありませんが、名実ともに会社の中身も支配されたということですし、経営だけでなく実務面も取り仕切られるということですね。しかし、経理財務部と経理部があるんですね。

佐々木ベジさんって、ソレキアに敵対的TOBを仕掛けたとき、なんて言ってたんでしたっけ?以下のとおりです。

 ソレキアの「ソレキアの経営陣や従業員が経営方針に賛同しなかったら、株式を追加取得するのか?」という趣旨の質問に対する佐々木ベジさんの回答です。これだけ読むと、時間をかけて私の考えを理解してもらうつもりですという殊勝な態度に見えますが、実際には話し合いに1年もかけず、佐々木ベジさん自身がソレキアの管理部門を掌握するに至りました。ま、過半数近い株式を握ったのですから、当たり前と言えば当たり前です。もしかしたら、ソレキアの皆さんが「いやー、ベジさんが経営に参加してくれてよかったねえ」と思っているのかもしれませんし。そんな訳ないか・・・。

 いくら敵対的買収者と言っても、世間の目もあるし、ましてや相手は上場企業なんだから、あまりえげつないことはできないだろう、と考えていませんか?だとしたら甘いですよ~。世間から乗っ取り屋と後ろ指を指されることも覚悟した上で敵対的買収を仕掛けた人なんですから、覚悟が違います。「ゆっくり時間をかけて議論しましょうって言ってたじゃないか!」と非難しても「優秀な経営者は朝令暮改が当たり前!」と蹴散らされるだけです。随分前のことなので記憶があやふやですが、アルセロールに敵対的TOBを仕掛けたミタルスチールは当初「経営陣のクビは切らない」と言っていましたが、買収後1年でアルセロールのCEOをクビにしたと思います。ま、退職金を支払ったのかもしれませんが。

 ソレキアの人事異動を見るたびに、買収防衛策を入れておけばよかったのに、増配して対抗しておけばよかったのに、と思います。ソレキアの経営陣はどう思っているのでしょうか?ちなみに6月29日の定時株主総会のときに聞きましたけど、その時は「特定の株主を狙い撃ちにするような施策はいかがなものかと考え導入しませんでした。企業価値を高めることで対処しようと考えました」「増配については検討しましたが、根本的解決にならないと考えました」という回答でした。ソレキアの社長!今でも本当にそう思っていますか?ま、このようなぬるい会社は佐々木ベジに買われてよかったのかもしれません。

これが、平時からの準備を怠り、佐々木ベジが会長をつとめるフリージア・マクロスに株式を買われ準有事になったのに買収防衛策を入れず、敵対的TOBを仕掛けられてホワイトナイトによる防衛という間違った対処をしてしまった会社の末路です。普段からちゃんと勉強していないとこうなります。

 

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